油圧機器の性能を左右する「作動油」。その選定は、機器の寿命や効率に直結します。
今回紹介する「シェル テラス S2 M」は、鉱物油ベースながら高い酸化安定性と摩耗防止性能を備えた信頼の一品で、幅広い産業機械に対応し、コストと品質のバランスに優れています。作動油選びに悩む方は、ぜひ参考にしてください。
シェル テラス S2 Mとは

シェル テラス S2 Mは、鉱物油ベースの高性能作動油です。
シェル独自の精製技術により、酸化安定性や熱安定性に優れ、長期間にわたって安定した潤滑性能を発揮。また、摩耗防止性や防錆性も高く、過酷な運転条件下でも機器の保護に貢献します。
ISO VG 22、32、46、68、100の5種類の粘度グレードが用意されており、用途に応じて選択が可能です。工業、建設機械、船舶などの油圧機器のみならず、ギヤ・軸受の潤滑油としても使用できます。
承認 | ・Denison Hydraulics (HF-0,、HF-1、 HF-2)※ISO22,100を除く ・Fives Cincinnati P-68 (ISO 32), P-70 (ISO 46)、P-69 (ISO 68) ・Eaton Vickers (Brochure 694) ※ISO100 を除く ・Bosch Rexroth RD 90220-01 |
適合規格 | ・ISO 11158 (HM fluids) ・ASTM 6158-05 (HM fluids) ・DIN 51524 Part 2 HLP type ・GB 111181-1-94 (HM fluids) |
消防法危険物分類 | 第4類 第4石油類 危険等級Ⅲ(シェル テラス S2 M 100のみ可燃性液体類) |
荷姿 | 20ℓペール缶・200ℓドラム缶 |

参照:シェル テラス S2 M|シェル ルブリカンツ ジャパン株式会社
シェル テラス S2 Mの代表的な4つの特徴

以下では、主なシェル テラス S2 Mの特徴を項目ごとに詳しく解説します。
優れた酸化安定性と熱安定性
テラス S2 Mは、シェル独自の精製技術により酸化による劣化を抑制。高温環境下でも粘度変化が少なく、長期間にわたって安定した性能を維持できます。これにより、交換サイクルの延長やメンテナンスコストの削減が可能です。
摩耗防止性と防錆性
金属表面への保護性能が高く、摩耗や腐食に強いのが特徴の1つ。

参照:Shell Tellus S2 M|シェル ルブリカンツジャパン株式会社
また、特に高負荷の油圧システムにおいて、ポンプやバルブの寿命延長に貢献。湿気や水分の混入にも強く、錆の発生を抑える効果が期待できるでしょう。
放気性がよく水分離性が高い
シェル テラス S2 M には、油中の泡をすぐに放出できるような添加物素材を採用。そのため、キャビテーションを抑えられます。
また、シェル テラス S2 Mは、油圧系統内に水が入ったとしても乳化しにくいため、水によるダメージを最小限に抑えられるでしょう。
1つの油種で使いまわしが可能
シェル テラス S2 M は、油圧作動油としての性能だけでなく、ギヤ、軸受などの潤滑油としても使用でき、誤給油の防止はもちろん在庫管理の簡素化も図れます。
さらに、高性能ながら価格は比較的抑えられており、導入しやすい点も高評価。長寿命・低メンテナンスのため、メンテナンス負担の低減につながるでしょう。
シェル テラス S2 Mのメリット・デメリット

シェル テラス S2 M のメリットとデメリットは下記のとおりです。
- 世界中の油圧機器メーカーが認めたメジャーな作動油
- 価格が安価でコストカットが可能
- 使いまわしが可能で誤給油を防ぎ、管理しやすい
- 合成油や可燃性液体類を要する機械などには使用できない
- 鉱物油ベースのため環境負荷が高め
- 合成油よりも温度耐性が低いため極端な環境には向いていない
シェル テラス S2 Mの実際の評判や口コミ

ここでは、シェル テラス S2 Mの評判や口コミを紹介します。
油圧ユニット用で購入しました。問題無く使用出来ています。
農業用機械の油圧部に、この作動油を補充をしました。嫌な機械音が減少し、絶好調です。
ユンボの油圧油として使用しました。有名メーカーなので安心して使えます。
まとめ

シェル テラス S2 Mは、多くの油圧機械に使用され、世界中からその優秀性が認められたメジャーな作動油です。
シェル独自の特許技術を活用しているため、機器にとって厳しい条件下であっても効率的に動作が可能。工業、建設機械、船舶などをはじめ、ギヤや軸受の潤滑油など幅広く活用できます。