トヨタのランドクルーザーは、1951年にBJ型として誕生し、富士山6合目までの登坂に成功した実績をもつ。以後、過酷な環境での走行性能を磨き続け、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる車」として信頼性、耐久性、悪路走破性を高めながら発展してきた。70年以上にわたり190を超える国と地域で累計1,200万台以上が販売され、人々の生活や産業を支える存在となっている。

現在のランドクルーザーは、上級仕様の“300”シリーズ、作業用途に特化した“70”シリーズ、実用性を重視する“250”シリーズの3構成で展開されている。新たにシリーズへ加わる“FJ”は、原点回帰によって見えた価値を踏まえ、堅牢さや信頼性に加えて「自由に楽しむ」という要素を重視したモデルである。
新型“FJ”は、居住性と積載性を確保するための直方体ボディを採用し、角を落とした構成で剛性を高めた。前後のバンパーを分割式とし、破損箇所のみの交換を可能にすることで修理効率を向上。また、ユーザーの好みに応じたカスタマイズ性にも配慮している。

車内は水平基調のインパネを採用し、操作機能を視線移動が少ない位置に配置することで運転時の認識性を高めた。カウルやダッシュボードを低く設計し、悪路での視界確保を強化。安全装備には「トヨタセーフティセンス」を標準採用し、運転支援と予防安全性能を向上させた。

プラットフォームにはIMVシリーズの技術を活用し、地上高やアプローチアングルを確保。ホイールベースを短縮して小回り性能を高め、最小回転半径5.5mを実現した。さらに、ボディ剛性を高める補強を施し、オフロード試験で信頼性と耐久性を検証している。

オプション展開では、丸型ヘッドランプや取り付け式モールパネルなど、歴代モデルを想起させる装備を用意。加えて、車両に積載して持ち運べる電動モビリティ「LAND HOPPER」も開発中である。
トヨタは、Japan Mobility Show 2025(東京ビッグサイト)で“FJ”を出展し、ランドクルーザーが築いてきた実用性能と新しい移動の価値を示す。




