出光が開発した水溶性切削油「ダフニーアルファクールNVシリーズ」が、第24回グリーン・サステイナブルケミストリー賞(GSC賞)において「環境大臣賞」を受賞した。
同社にとって同賞の受賞は初の快挙であり、環境負荷低減と社会実装の両立が高く評価されたものである。

左から日刊工業新聞社 取締役社長 井水 治博氏、
出光興産株式会社 上席執行役員 寺﨑 与志樹
NVシリーズは、低揮発アミンと脂肪酸を最適配合することで、有効成分の揮発を抑制し、長期間にわたる性能維持を実現した点が特徴。
従来製品と比較して使用可能期間を約2.5倍に延ばし、腐敗臭の抑制や産業廃棄物の削減を実現したほか、人体に有害なミストや油煙の発生を半減させるなど、作業環境の改善にも寄与している。
また、加工後に部品へ付着する油分を大幅に減らすことで消費量を最大80%削減し、コスト面でも優位性を示している。
近年、自動車部品や半導体などの製造現場では、温室効果ガス削減への取り組みと並行して、作業者の安全と衛生環境の確保が求められている。
NVシリーズはこうした時代の要請に応える技術として開発されたものであり、環境性能と経済性を両立する新しいスタンダードを提示したといえるだろう。
参照:水溶性切削油「ダフニーアルファクール NV シリーズ」が 「第21 回 2024 年“超”モノづくり部品大賞」において「大賞」を受賞(2024年12月12日)
