2026年2月28日のアメリカとイスラエルによるイラン攻撃を受けて、原油輸送の要であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、船舶の航行に支障が出ています。
本記事では、ホルムズ海峡閉鎖で起こる日本への影響や、ガソリン価格の動向、生活への影響などをわかりやすくまとめました。
また、ホルムズ海峡について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

”ホルムズ海峡閉鎖”、日本では何が起こる?

ホルムズ海峡の閉鎖で、日本で何が起こるのかをリストでまとめました。以下のとおりです。
- 原油価格の上昇
- ガソリン価格の値上がり
- 軽油・灯油・重油など石油製品価格の上昇
- 電気料金・都市ガス料金への波及(燃料費調整制度経由)
- 物流コスト上昇による物価上昇圧力
- 企業の燃料コスト増加による収益悪化懸念
- 円安が進行した場合、輸入エネルギー価格がさらに上昇
- 長期化した場合、国家備蓄の放出検討
日本は原油輸入の約90%以上を中東に依存しています。
一例を出すと、2023年の日本の原油輸入における中東依存度は約95.1%と報告されているほどです。
しかし、現時点ですぐに供給不足になる訳ではありません。
出光興産やコスモエネルギーなどは、国家備蓄や民間在庫があるため、直ちに石油製品の供給障害が起きる可能性は低いと述べています。
参照:Ministry: Japan’s Reliance on Middle East Oil Rose to 95.1% in 2023|aawsat.com
日本の石油備蓄量は”254日分”
現在、日本政府が発表している石油備蓄量は254日分と明らかにしています。
内訳は以下のとおり。
- 国家備蓄(政府が保管):約146日分
- 民間備蓄(石油会社の保有):約101日分
- 共同備蓄(産油国との共同保管):約7日分
量にすると、合計で約440〜470百万バレル程度の備蓄量です。
また、国際エネルギー機関(IEA)は加盟国に90日分以上の備蓄を義務付けているので、その日数をはるかに上回る備蓄であることもポイントといえるでしょう。
参照:高市総理「石油備蓄は254日分」 ホルムズ海峡の事実上封鎖受け LNGは約3週間分|テレ朝NEWS
ガソリン価格は封鎖期間が長引くほど上昇

生活に密接する問題としては、やはりガソリン価格にどれほど影響するかという点ではないでしょうか。
もちろん、ホルムズ海峡の閉鎖が長引けば長引くほど、ガソリン価格は高騰します。
以下は、閉鎖期間と予想されるガソリン価格を表にしました。
| ホルムズ海峡の閉鎖期間 | ガソリン価格予想 |
|---|---|
| 短期(1~2週間) | 約220〜230円/ℓ |
| 中期(1〜3カ月) | 約250〜300円/ℓ |
| 長期(3カ月以上) | 400〜500円/ℓ |
あくまでモデル予想であり、実際の価格は補助金政策・為替・供給状況・OPECプラスの対応などで変動します。
また、3カ月以上も閉鎖が続いたことは、いままで一度もないことと、世界の原油・LNG輸送の約20%が通過する場所でもあるため、完全閉鎖が続く可能性は低いといえるでしょう。
しかし、現状より多少は値段が上がるのは間違いありません。
ガソリン以外の物価上昇も生活に打撃

ガソリン価格の上昇以外にも、普段の生活に必要な食品や光熱費など、物価が上昇する可能性が高いです。
物価上昇率(CPI)の予想シミュレーションでは、約2~3%の物価上昇につながると試算されています。
簡単にたとえなるならば、プラス3%なら、100円の商品が103円になるくらい。
年間の生活費が合計300万円なら、年間プラス9万円。月あたりにすると、約7500円ほど出費が増える計算です。

まとめ

ホルムズ海峡の事実上の封鎖は、原油価格の上昇を通じて日本のガソリン価格や電気・ガス料金、食品価格など幅広い分野に影響を及ぼす可能性があります。
現時点で直ちに供給不足に陥る状況ではありませんが、封鎖が長期化すれば価格上昇圧力は強まります。
今後は原油価格、為替動向、政府の補助金政策の行方が大きな鍵を握るでしょう。
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